先日高校時代の友人から「旦那がタイに赴任になるかもしれないから色々教えて」と連絡をもらい、久しぶりにバンコク渡航準備をしていた3年半前のことを思い出しました。
今でこそバンコク生活にもすっかり慣れてしまいましたが、渡航前は初めての海外生活を前に不安でいっぱいでした。
何を準備したらいいのか分からず、身近に相談できる人もいなくてネットで調べまくったのを覚えています。
当時の自分としてはきちんと調べて準備したつもりでいましたが、それでもやっぱり抜けがあって、「コレ日本にいるうちにやっておけば良かったなぁ」と思ったことがいくつかありました。
逆に、あの時は必死にやったけどそこまで頑張って準備しなくても良かったなと思うことも。
そこで、2014年からタイ・バンコクに住んでいる私の視点から、海外赴任前にやっておけば良かったこと、無理してやらなくても良かったことについてまとめておきます。
持ち物リストや移住後の買い出し場所ついては、こちらもあわせてどうぞ。
バンコク生活全般についてはこちら。
タイ赴任前に日本でしておけば良かったこと
日本のクレジットカードを作る
日本でクレジットカードを作るためには、日本の住所と電話番号が必要になります。
海外赴任後に作ろうと思ったら実家のサポートが必要ですし、審査の問題もあるので日本にいるうちに作っておくのがおすすめです。
もちろん赴任後に現地発行のクレジットカードを作るという選択肢もありますが、海外生活が始まって間もない時期にそこまでの余裕は無いはず。
バンコク生活でも飛行機やホテルの予約時など、意外といろんな場面でクレジットカードを使います。すでに持っている方も多いとは思いますが、今後のタイ生活に適したクレジットカードを持っておくと便利です。
タイ生活でVISAかMASTERカードは必須
タイでのクレジットカードブランドの普及具合はVISA≒MASTER>JCB>>AMEXです。タイに赴任するために一枚だけクレジットカードを作るなら、VISAかMASTERがおすすめ。特にAMEXはタイでは使えない店が多い印象があります。
JCBはバンコクの飲食店での特典多し
JCBカードはVISAやMASTERに比べると普及率はやや低めではありますが、ここ数年で使える店がかなり多くなってきました。
またバンコクの飲食店では普及率が高く、また割引特典も多いのが特徴です。
またバンコクにはJCBプラザラウンジがあり、レストランなどの予約代行サービスや、時期ごとにオトクなキャンペーンがあったりで重宝しています。
2枚目のカードとしてJCBを持っていて損はありません。
JCBプラザ ラウンジ・バンコク | クレジットカードJCB 海外でも便利な優待特典やJCB PLAZA情報
※2022年2月現在、JCBプラザラウンジは休業中。電話・Web予約のみ対応しています
プライオリティパスがあると一時帰国・旅行が快適に
私の場合、年に一度以上は日本に一時帰国をしています。またタイ国内や近隣諸国に頻繁に旅行に出かけるようになりました。
そこで気になりだしたのがプライオリティパス。プライオリティパスとは、世界各国の空港ラウンジを無料で利用できるカードのことです。ラウンジでは無料WiFi、電源が使えるほか、多くの場合ドリンクや軽食が用意されています。
私は機内食無しのLCCをよく使うので、ラウンジで食事できるのはすごく助かります。やっぱり空港の食事はどこも高いですから。それにフライト前の時間をソファーでゆったり過ごせるのは良いものです。
プライオリティパス単独で申し込むこともできますが、プライオリティパス付帯のクレジットカードを取得した方がオトクです。
そこで我が家でも、最近プライオリティパス付帯のクレジットカードを取得しました。
プライオリティパス付帯のカードの中でおすすめは、プライオリティパス付帯カードとしては最安の年会費 11,000円(税込み)で取得できる楽天プレミアムカードです。
また、手荷物宅配サービスも一時帰国時に重宝しています。成田国際空港、羽田空港国際線、関西国際空港、中部国際空港を利用する場合、空港から自宅又は自宅から空港への手荷物宅配サービスが年2回まで利用できます。
一時帰国時は、お土産や日本から持ち帰る物で大荷物になりがち。その大荷物をかかえての電車移動は本当に大変です。
日本の駅構内って、意外とエレベーターやエスカレーターが無いんですよね。20kgの荷物を持って渋谷駅で階段上ったり下りたりするのはしんどかったー!!そのときの記憶があるから、手荷物宅配サービスのありがたみを噛み締めています。
楽天プレミアムカードについては、下のリンクから公式ページをご覧ください。
楽天プレミアムカードについて見てみる
Wiseに加入&Wiseデビットカードを作る
タイに来てすぐのタイミングでは、まだタイバーツが無く日本円での支出が多くなることが予想されます。
Wiseデビットカードを作って日本円をチャージしておけば、クレジットカードよりも良い為替レート&低い手数料でタイでの買い物が可能に。資金のチャージは銀行アプリを使えば手数料無料で簡単にできます。
これから海外生活をはじめる方に必携のカードです。
Wiseデビットカードは現在のところ日本での発行になります。タイへの渡航が決まったら、日本にいてマイナンバーカードを持っているうちに発行すると手続きがスムーズです。
Wiseデビットカードについて詳しくはこちらもご参照ください。
保険を解約
保険の解約は思った以上に手間暇かかるので、解約するなら渡航前がおすすめです。
私の場合、結婚とバンコクに行くタイミングが同じでした。そこで渡航前に独身時代に加入していた保険の見直しを行ったのですが、海外渡航後は再加入が難しいという話を聞いたこともあり、月2,000円の女性向け医療保険については念のため残してきたんですよね。
でもバンコクで夫と話し合って、結局解約することにしました。
そこで「一時帰国時に電話でちゃちゃっと解約しちゃおう」と思っていたのですがそうはいきませんでした。電話で解約用の資料を請求して、そこに自筆で記入押印して郵送といったステップを踏む必要がありました。正直、一週間程度の一時帰国では無理。けっこう大変でした。
ネットバンキングの手続き
海外に行ったら、もう今までのように気軽にATMで日本の口座の残高確認ができません。ネットバンキングの手続きをしてネットで残高確認ができるようにしておきましょう。
ただせっかく手続きをしていても、パスワードを忘れると郵送でパスワードの再発行が必要になったりして、これまた大変なのでしっかり管理を。
海外でも使える「楽天モバイル」を契約する
私がバンコクにやってきた2014年当時は、日本の携帯電話番号を残しておくことは維持費の面から現実的ではありませんでした。
そのため私は日本の携帯電話は解約してやってきたのですが、日本の携帯電話番号が無いことによって日本の様々な手続きに支障をきたすことがありました。
今はアプリ一つダウンロードするにしても、SMS認証だったり、電話での認証が必要になっています。また、銀行の各種手続きでもSMS認証が必要なことがあります。
そのたびに日本の家族に協力してもらったりして乗り切っていたのですが、月々1,080円の楽天モバイルを利用することで海外にいながら気軽に日本に電話したり、SMS認証することができるようになりました。
Rakuten Linkという専用アプリを使えば、海外から日本にかけても、日本からの着信を海外で受けても0円なんです!(参考リンク)
そして海外でもSMSを受信できるところがポイント!
海外に出て初めて気が付いたのですが、SMS認証を要する手続きって割とあるんですよね。
楽天モバイルを使用しはじめてから、海外にいても日本関係の手続きがかなり楽になりました。ぜひぜひ、加入をおすすめします。
楽天モバイルは海外でも利用できますが、最初の回線開通は日本で行うのが無難なので(海外でもできた方もいらっしゃるようですが)、ぜひ海外渡航前に加入するのがおすすめです。
海外在住者が楽天モバイルに加入するメリットと注意点について詳しくは、こちらの投稿をご覧ください。
夫婦宛の郵便物が妻の実家に届くようにしておく
これは本当にやっておいて良かったなと思うんですが、我が家の場合、夫婦宛の郵便物は全て私(妻)の実家に届くように手続きをしておきました。
クレジットカードの更新などなどで必要になるので、海外赴任後も日本での連絡先(住所)を確保しておくことは重要です。
その場合、やはり実家のサポートが必要になりますが、義実家にお願いするのは気を使うもの。自分の実家なら比較的お願いしやすいですよね。
実家と名字が違っても届くのかちょっと心配でしたが、今のところ夫婦宛の郵便物は両方とも問題なく受け取れています。
ピロリ菌の検査
海外移住前にやっておいて良かったと思うことの一つが健康診断です。
もちろん基本的なものは毎年職場で受けていたのですが、胃癌を患っていた母の勧めでピロリ菌の検査もやってみました。
軽い気持ちで受けたのですが、まさかまさか、ピロリ菌がいました!
それを受けて人生で初めて胃カメラをしたら胃炎が発覚。さらには胃潰瘍と十二指腸潰瘍の跡がいくつかあると言われてびっくり。そう言われてみると、胃が痛むことあったなぁ…。
処方された薬を飲んでピロリ菌を退治しておきました。人生の転機でこの検査を受けて、早めに退治できて良かったなぁと思っているところです。
海外では言葉の壁もありますし、保険に加入してない場合は医療費の心配もあるので、なるべくなら病院にかかりたくないですよね。ピロリ菌に限らず、健康面の心配はなるべく減らしてから旅立ちたいものです。
でも海外渡航前の忙しい時期になかなかそこまで手が回らないもの。私の場合、職場の隣にたまたま胃腸内科があったから時間休をもらってサクッと受診できたけど、そうじゃなければ時間がとれなかったかもしれません。
そんな忙しい方は、まずは郵送で検査ができるピロリ菌の検査キットを試してみてはいかがでしょうか。
歯医者(親知らずの抜歯)
海外に住むなら歯の健康は非常に大事です。
歯科は海外旅行保険が効かないことがほとんどです。日本の健康保険に加入しているなら後から申請して戻ってくることもあります(海外療養費申請)が、手続きが本当に面倒くさいです。
なるべく海外で歯のトラブルがないように、渡航前に日本のかかりつけ歯医者で診てもらっておくのがおすすめです。
私も渡航前に診てもらったのですが、親知らずは抜かずにそのままにしたんです。でも、結局痛みはじめてバンコクの歯医者で抜くことになりました。けっこう治療費かかりましたよ…。
しかももう一本は生え方が悪く、総合病院じゃないと抜けないとかで、未だにそのまま。渡航前に日本で両方抜いちゃえば良かったなぁと後悔しています。怖いけど。
失業給付の延長手続き
配偶者の海外勤務に帯同するために退職した場合、失業手当の受給期間の延長申請をすることができます。
本来の受給期間の1年+延長分3年で退職した日から最大4年まで失業手当の受給期間を延長可能。4年以内に帰国する場合、帰国後に失業保険を受け取れるというわけです。
対象となる方は手続きをしておくと良いと思います。
運転免許の事前更新
運転免許証は大事な身分証明書です。海外生活中においても、日本の運転免許を元にタイの運転免許をとったり、何か使う機会はあります。ぜひ期限を切らさずにおきたいもの。
運転免許の更新期限が1年未満の場合は、海外渡航前に更新期間前の更新手続が可能です。
詳しい方法は最寄りの運転免許センターに問い合わせてみてください。
無理してやらなくても良かったこと
予防接種
海外赴任でやることリストに絶対に入っているのが予防接種ですよね。もちろん、必要なことです。
会社によっては、駐在員とその家族に会社負担で予防接種をさせてくれるところもあるでしょう。また、都会にお住まいなら近くの病院でサクッと終わる話。
でも私は地方住まいだったので、タイで必要な予防接種を全種類行っている病院は県内に数か所しかなく、そこは当時私が住んでいた場所から車で2時間かかる場所でした。
しかも予防接種は保険が効かないので全額自費です。かかった費用は以下のとおり。
<1回目>
- 麻疹抗体検査 1000円
- 風疹抗体検査 1000円
- B型肝炎抗体検査 1200円(※南九州の人は既に抗体を持っている場合があるため)
- A型肝炎予防接種 5500円
- 破傷風予防接種 1300円
<2回目>
- A型肝炎予防接種 5500円
- B型肝炎予防接種 3000円
- 麻疹予防接種 3500円
<3回目>
- B型肝炎予防接種 3000円
- 日本脳炎予防接種 4500円
さらにバンコクに来て半年後にA型肝炎とB型肝炎を追加接種(3,500バーツ/約11,500円)したので、合計金額は41,050円とかなり高額でした!
このようにけっこう大変だった予防接種なのですが、実はバンコクの総合病院や日系クリニックで、日本よりも安く受けることができます。
英語に自信がある方なら、タイ赤十字病院(スネークファーム)の病院で受ければさらにお安い。
もちろん日本で接種してきた安心感はあったのですが、タイ渡航前の多忙な時期に車で2時間運転してまで予防接種に行かなくても良かったんじゃないかなぁというのが今の私の感想です。
日本の一般的な病院で受けられる麻疹、風疹、日本脳炎、破傷風だけ日本で済ませて、A型肝炎とB型肝炎はバンコクに来てからで受ければ良かった。
なお、私は病院からのアドバイスもあって狂犬病の予防接種は受けていません。
なぜかというと、もし動物に噛まれてしまったら、事前に狂犬病の予防接種を受けていたとしても結局追加接種が必要になるからです。
病院から遠い僻地に住むなら時間を稼ぐ意味で事前接種が必要かもしれませんが、バンコクなどの都市部に住むなら不要というのがお医者さんの見解でした。
以上、海外赴任前に日本でしておけば良かったこと・必要無かったことをまとめました。これからタイ・バンコク赴任が決まった方の参考になれば嬉しいです!
持ち物リストや移住後の買い出し場所ついては、こちらもあわせてどうぞ。
バンコク生活全般についてはこちら。
なお、タイ赴任準備の全体像については、バンコクブロガーのぷくこさんがすごく分かりやすくまとめてくださっているので、そちらもぜひ読んでみてください!
※文中の日本円表記は1バーツ≒3.4円で計算(2017年9月現在)