タイ・バンコクは、比較的安全に楽しめる都市とされていて、日本からの海外旅行先として人気です。とはいってもここは海外。日本と同じ感覚ですべてOKというわけではありません。
そこで、タイ・バンコクの治安と犯罪の傾向について、バンコク在住7年になる私(女性)の実体験を織り交ぜつつ紹介します。
具体的に私が日常生活で気をつけているのは以下の7点です。
- 暗い夜道は一人で歩かない。
- 夜間は女性だけでタクシーに乗らない。どうしても必要なときにはグラブ(Grab)に乗る
- 人混みではスリに気をつける
- 大切な荷物を置きっぱなしで席から離れない
- 日本語で向こうから親しげに話しかけてくる人には注意する
- テロなどの最新情報をすぐにキャッチできるよう「たびレジ」に登録
- 身分証(パスポート)を携帯する
バンコクの治安情報①:過去におきたテロ事件
ここ数年でバンコクで起きたテロ事件、またはテロの疑いのある事件はこちら。
時期 | 概要 |
2015年8月 | バンコク中心部、BTSチットロム駅最寄りのエラワン廟にて爆発。20人が死亡、125人が負傷。 |
2019年8月 | ASEAN外相会合期間中にBTSチョンノンシー駅前など複数箇所での連続爆発・放火事件。数名が負傷。 |
両方の事件において、観光客もよく行くエリアで爆発が起こっています。
爆発に関しては避けようがありませんが、バンコクではこういった事件が起こりうることを認識し、最新情報を得ながら行動することが必要です。
また、バンコクではときたま反政府集会が行われます。こういった集会では何が起こるかわからないため、登録者には在タイ日本国大使館からメールで情報提供と、集会に近づかないように注意喚起が行われています。もちろん爆発が起こったときにもメールで情報提供がありました。
これらの情報は、外務省が提供する「たびレジ」に登録することで受け取ることができます。ぜひ、旅行前に登録しておきましょう。
バンコクの治安情報②:銃や刃物を使った凶悪犯罪・性犯罪
銃や刃物を使った凶悪犯罪
タイでは銃が手に入りやすいため、銃を使った犯罪も多いといわれています。
タクシーの運転手など、旅行客が普通に接する人でも銃を持っていることもあります。ですから、タクシーにぼったくられても、むやみに言い争わないこと。相手が激昂してバンっとやられてしまってはおしまいです。
そういった意味でも、タクシーではなく明瞭会計の配車アプリ・グラブ(Grab)を利用するのがおすすめです。
もし、万が一強盗にあってしまったら、持ち物を守ろうとせずにすべて差し出すことが大事。財布より何より命が大事!
でも実際にひったくりや強盗にあったら、ついつい守ってしまいそう…モノより命の意識を徹底させておきたいものです。
◆バンコクで起きた強盗の例
2019年12月には、深夜の路上で日本人男性が強盗に刃物で刺される事件が発生しています。深夜の路上一人歩きはたとえ男性であっても危険ですね。私も気を引き締めなければ。
被害者の奥様がブログで注意喚起されています。
性犯罪
夜間に女性一人でタクシーに乗車した際に運転手から脅されたり、連れ回されたりし、性犯罪にあうという事例もあります。
そのため、私は夜間に一人でタクシーに乗るのはなるべく避け、どうしてものときには、記録の残るクラブ(Grab)を利用するようにしています。
また空港に深夜到着時は安心して利用できるリムジンを利用するのがおすすめ。KKdayの送迎サービスなら、日本語で事前予約できます。
バンコクの治安情報③:よく発生している軽犯罪
そのほか、バンコクでよく発生している軽犯罪を紹介します。特に詐欺はパターンが決まっているので覚えておきましょう。
スリ
バンコクではスリや置き引きがよく発生しています。
スリに関しては、市場や有名なお寺の周辺など、混雑する場所で特に注意が必要です。そのほか、日本人も多いBTSアソーク駅からBTSプロンポン駅にかけての道もスリが多いと聞くので注意。
またオカマや女性による抱きつきスリもよく知られています。道端で女装した犯人に抱きつかれたり身体を触られたりして驚いているうちに、財布や携帯電話などを盗られるというものです。
以下のような服装はスリのターゲットになりやすいので避けましょう。
◆スリのターゲットになりやすい服装
- 後ろポケットに突っ込んだ財布
- 後ろに背負ったリュック
- 後ろ側にまわった斜めがけバッグ(前側に持ちましょう!)
◆スリの実例
私自身も中華街ヤワラートのサンペンレーンにてスマホをすられた経験があります。身を持って体験しましたが、全然気が付かないものですね…。
置き引き・ひったくり
置き引きやひったくりも多いので、
- 荷物から目を離さない
- 荷物は歩道側に持つ
などの注意が必要です。私も気を抜いていることが多いから気をつけよう。
お金見せて詐欺
「お金見せて詐欺」もバンコクでよく聞くタイプの犯罪です。
デパート等でおもにアラブ系の男性から
などと話しかけられ、お金を見せているすきにスられるというもの。
お寺お休み詐欺
王宮(ワット・プラケオ)やワットポーの近くでトゥクトゥクの運転手から
どと言われ、高額な買い物をさせられるというもの。王宮やワットポーが休みというのは嘘なので無視しましょう。
◆お寺お休み詐欺の実例
私も実際にお寺お休み詐欺を体験しました。
ワットポーまでトゥクトゥクに乗ったのですが、運転手に「ワットポーはお休みだよ。水上マーケットに行かない?」と声をかけられました。
「いや、ワットポーに行って。」と断りそのまま向かったのですが、予想通り通常営業中。トゥクトゥクの運転手は知らん顔で去っていきました。
睡眠薬強盗
睡眠薬強盗は、旅行中に知り合ったタイ人と飲食をともにした際に、飲み物などに睡眠薬を混入され眠っているすきに所持品を奪われるというものです。
レストラン店員なりすまし詐欺
レストランで店員になりすました人物に飲食代金を支払ってしまい、そのまま出ようとしたところ店側から呼び止められ、二重に支払いを求められるというもの。
支払いの際には請求書の内容を確認し、できるだけ領収書をもらうよう習慣づけましょう。ただし屋台などのローカルな店では領収証は出ないのが普通なので難しいですね。
身分証(パスポート)の携帯
道端で警察官に身分証(パスポート)の提示を求められ、持っていない場合は罰金(もしくは賄賂)を要求されることがあります。特に夜の繁華街で警察官にチェックされるケースが多いようです。
以前はパスポートのコピーでOKが通説ではありましたが、最近では原本がないとNGといわれたケースも聞きます。念の為、パスポート原本を携帯するのが安心です。
私はこれまで「タイの運転免許証原本+パスポートコピー」を持ち歩いていたのですが、パスポートの原本を持ち歩いた方が良いのかな…。私は夜はあまり出歩かないためか、今の所警察官に身分証を求められたことはなく、実際のところはわかりません。
またタイでは警官になりすまして犯罪を行うケースも聞きますし、賄賂目的の悪徳警官もいて、警察の服装をしているからといって全面的に信用できないのが辛いところです。
バンコクで近づかない方が良いエリア
バンコクで近づかない方がよいとされているエリアの一つがクロントゥーイスラムです。
繁華街からそう離れていないので、間違って迷いこんでしまわないように注意。「言うほど危険ではない」との意見もありますが、旅行客は近づかないほうが無難でしょう。
そのほか、夜になったら人気のない場所には行かないようにした方が良いと思います。また、ナイトマーケットやバーなど、夜のお出かけあとはグラブ(Grab)で直接ホテルまで帰るのが吉。
バンコク旅行での緊急時の連絡先
どんなに気をつけても、何らかの被害にあってしまうこともあるでしょう。そんな時の緊急連絡先をまとめました。
名称 | 電話 | URL |
在タイ日本国大使館 | 02-207-8500 02-696-3000 |
Web |
ツーリストポリス (英語OK、日本語をしゃべれる人につないでくれる) |
1155 | |
タイ国立救急医療センター (公立の救急車) | 1669 | |
バンコク病院 | 02-310-3000(代表) 02-310-3257(日本語専用) |
Web |
バムルンラード病院 | 02-066-8888(代表) 02-011-3388(日本語専用) |
Web |
サミティヴェート病院 | 02-022-2222(代表) 02-022-2122(日本語専用) |
Web |
救急車が必要なときには、上のリストにある日本語可の私立病院に連絡するのがおすすめです。タイでは私立病院が自前の救急車を持っています。
公立の救急車は、英語も通じにくいローカルな病院に搬送されてしまう可能性が高いので避けた方が良いでしょう。
バンコク旅行前に海外旅行保険に加入しておこう
前の項のリストにあるような日本語通訳のある私立病院では治療費が高額です。もし旅行中に怪我をしたり、病気になったときのために、必ず海外旅行保険に加入しておきましょう。
2021年11月からタイ開国となりましたが、新型コロナウイルス感染症及び関連疾患の治療費を含む5万USドルの治療補償額の「英文」の医療保険証が必要となっています。
海外旅行保険付帯のクレジットカードをお持ちの方も、海外旅行保険が適用になる条件の確認を。旅行代金などの支払いをクレジットカードを通して行わないと適用にならない場合もあります。
在タイ日本国大使館発行「タイでの安全のしおり」
タイ滞在中の安全の確保についてもっと詳しく知りたい方には、在タイ日本国大使館領事部・在チェンマイ日本国総領事館発行の「タイでの安全のしおり」がおすすめです。
以下のリンクよりPDFでダウンロード可能です。
まとめ:タイ・バンコクでの犯罪の傾向を知って安全に旅行を楽しもう!女性は特に注意を
タイ・バンコクは周辺諸国と比べると、比較的治安が良いとされていますが、それでも犯罪に巻き込まれる危険はあります。事前によくある犯罪の傾向を知って、頭の片隅におきつつ旅行を楽しんでもらえればと思います。
最後に私が普段から気をつけている7項目を再掲して終わりたいと思います。
- 暗い夜道は一人で歩かない。
- 夜間は女性だけでタクシーに乗らない。どうしても必要なときにはグラブ(Grab)に乗る
- 人混みではスリに気をつける
- 大切な荷物を置きっぱなしで席から離れない
- 日本語で向こうから親しげに話しかけてくる人には注意する
- テロなどの最新情報をすぐにキャッチできるよう「たびレジ」に登録
- 身分証(パスポート)を携帯する