タイは常夏の国ですが、暑いなりにも季節の変化があります。ここではタイ・バンコクで5年半暮らした私の経験を踏まえて、
- タイの3つの季節(暑季・雨季・乾季)の特徴
- タイ・バンコク旅行でおすすめの服装
について解説したいと思います。
結論を言ってしまうと、タイ・バンコクのベストシーズンは乾季(11月、12月、1月、2月)ですが、近年は大気汚染が問題になっています。個人的には、雨季(6月、7月、8月、9月、10月)もおすすめです。一方、もっともタイ・バンコク観光を避けた方が良いのは1年の中で特に暑い暑季(3月、4月、5月)のです。
服装は、日本の夏の服装と同じで構いませんが、冷房対策の羽織が必要です。以下詳しく解説していきます。
タイ・バンコクの3つの季節:暑季・雨季・乾季
タイは熱帯モンスーン気候にあたり、1年にわたって日本の夏のような気候が続きます。首都バンコクの最高気温は32~35℃、最低気温は22~27℃です。
このように常夏の国ではありますが、そのなかでも暑季・雨季・乾季の3つの季節に分けられます。季節の分かれ目は、その年の状況や地域によって前後するのですが、おおまかにはこのように分けられます。
暑季:3月~5月
雨季:6月~10月
乾季:11月~2月
暑季(3月、4月、5月)のタイの気候と服装
暑気は一年のうちで最も暑い時期です。雨はあまり降りませんが、連日35~40℃に近い気温になり日差しも強く、寺院や遺跡などの屋外観光が辛い時期です。
日本のゴールデンウィーク(4月下旬~5月上旬)は暑気に入ります。
個人的な意見なのですが、ゴールデンウィークは日本の大型連休の中ではタイ旅行をもっとも避けたほうが良い時期だと思っています。
5月の上旬は暑い暑季からだんだんと雨季に入っていく過渡期。雨が降るかどうかは運次第ですが、とにかく暑いことには間違いない時期です。正直に言うと、この時期に屋外での観光がメインとなるアユタヤ、王宮、ウィークエンドマーケットは暑いので行きたくないというのが私の本音です。
暑季(3月、4月、5月)のタイ旅行の服装は、とにかく暑いので、暑さ対策優先で。肌にぴったりするジーンズなども避け、リネンなどのふんわりした素材のパンツやスカートがおすすめです。この時期にアユタヤなどの屋外観光をいれている方はかなり汗をかくことが予想されます。Tシャツや下着の替えを持っていくといいかもしれません。また、帽子日傘などの暑さ対策、水分補給は十分に行ってください。
暑い暑い屋外に対して、デパートやレストランなどの屋内は冷房がギンギンに効いているので、パーカーやカーディガンなどの長袖の羽織るものも必須です。
そして、あまり無理して外出せず、ホテルステイやデパートでの買い物、スパなどを適宜はさんだプランが無難でしょう。
プーケットなどのアンダマン海のリゾートは、雨季に入る前ならギリギリハイシーズンです。いつから雨季に入るのか、こればっかりは年によるので何とも言えません。でも、ゴールデンウィークにタイに行くなら、私だったらバンコクではなくてビーチリゾートを選びたい。
◆この時期のお祭り
4月13~15日はタイの旧正月「ソンクラン」で水かけ祭りが行われます。
雨季(6月、7月、8月、9月、10月)のタイの気候と服装
雨季とはいっても雨が1日中降り続くわけではなく、激しい雨(スコール)が1時間ほど降って止むことがほとんどです。雨が止めばカラッとした天気になるので、意外に観光に支障はありません。
ただし、雨が降った後に道路が冠水することがあります。道路が冠水した場合、水の中を歩くのはおすすめしません。傷口から細菌が入り込んで破傷風などの病気の原因になることがあります。
日本の夏休み&お盆(7月・8月)、そしてシルバーウィーク(9月下旬)は、タイの雨季ど真ん中です。
雨季は、タイ観光のローシーズンとされていますが、暑気にくらべて暑さがきつくないので、バンコク観光なら個人的には雨季はおすすめのシーズンです。
夕方から夜にかけてスコールが1時間ほど降ることはありますが、1日中降り続くようなことはめったにありません。空が暗くなって風が強まってくるのがスコールの前兆です。そうなったらおとなしく屋内に避難しましょう。
ただし、プーケットなどのアンダマン海側のリゾートの場合は雨季は透明度が落ちますし、海が荒れて入れないこともあります。ただ、ホテルステイを楽しむと割り切ってしまえば、ローシーズンの雨季は5つ星ホテルにもかなりお安い価格で泊まれるのでお得です。
一方、タイ湾に面したサムイ島はハイシーズンになるので、この時期にビーチリゾートを検討されている方はサムイ島をおすすめします。
雨が気になる雨季ですが、一方でタイのトロピカルフルーツが旬を迎える時期でもあります。ライチ、ランブータン、マンゴスチンなどのトロピカルフルーツを食べてみたい方にはおすすめのシーズンです。
雨季(6月、7月、8月、9月、10月)のタイ旅行の服装ですが、暑季と同じく暑さ対策の服装&冷房対策の羽織を持ってくればOKです。また、日差し対策&雨に備えて晴雨兼用の折りたたみ傘を持っておきましょう。
乾季(11月、12月、1月、2月)のタイの気候
雨も降らず、気温もあまり高くなくて過ごしやすい時期で、タイのベストシーズンです。プーケットなどアンダマン海側の海の透明度も上がってきます。
乾季になると、バンコクではかなり涼しい日が3日から1週間ほど続きます。この短い期間は、アユタヤ遺跡などの屋外観光が快適な一方、プールに入るにはちょっと涼しすぎるくらい。チェンマイなどの北部ではさらに冷え込みますので、注意が必要です。
この乾季でも特に涼しい時期がいつになるかは例年異なりますし、年によってはなかったりもします。この特別涼しい時期をのぞけば、乾季の間は、普通に暑い~涼しいの間くらいの体感の日が続きます。
気温的には過ごしやすい乾季ですが、バンコクでは近年大気汚染(PM2.5)が問題になっています。敏感な方はこの時期は避けたほうがいいかも。
気候的には比較的暑さが厳しくないことから、タイ・バンコク旅行のベストシーズンといわれている乾季ですが、大気汚染が深刻化しだしてからはベストシーズンとは言い難くなっているのでは…と個人的には思います。
乾季について、時期別にもう少し詳しく解説します。
年末年始は乾季真っ只中です。バンコクの大気汚染さえ避ければ、快適に観光を楽しめます。せっかくこの時期にタイに来るなら、バンコクではなくプーケットやクラビなどのビーチリゾートがおすすめです。ただ、年末年始はホテル価格が高騰しますし、大晦日には高額なガラディナーに強制的に参加することになるホテルもあります。それはそれで海外の大晦日といった雰囲気が楽しめて良いとは思うのですが、このあたりは予算との兼ね合いですね。
大学生の春休みである2月から3月にかけては、乾季から暑季に移り変わっていく時期です。雨の心配はありませんが、3月の終わりに近づくほど暑さが増していきます。2月上旬であれば、まだ乾季で過ごしやすい気候です。時期の融通がきくのならば、できるだけ2月上旬にタイにいらっしゃると良いと思います。
乾季(11月、12月、1月、2月)のタイ旅行の服装ですが、基本的には暑季・雨季とかわらず半袖&冷房対策の羽織でOKです。比較的涼しいとはいっても、日本の夏とそう変わらない気温です。
◆この時期のお祭り
旧暦12月(現在の10月または11月)の満月の夜にはロイクラトン祭りが行われ、人々が川にクラトンと呼ばれる灯籠を流します。一方、チェンマイでは夜空にランタンを上げるコムローイが行われます。コムローイはディズニーの「ラプンツェル」のモデルにもなった人気のお祭りです。
タイ・バンコク旅行で服装に気をつけるべき2つの場所
これまで解説したとおり、タイ・バンコクの気候は年間を通じて基本的に「暑い」です。ですから、どの時期であっても日本の夏と同じ服装をしてもらえば大丈夫。
タイ旅行の靴に関してですが、タイ・バンコクの歩道は凸凹していて歩きづらいので、KEENやTeveなどのアウトドアブランドのサンダルやスニーカーなどがおすすめ。これに加えて高級レストランやバーに行く用の靴があれば完璧です。
そのほか、タイ旅行で服装について特に気をつけるべき場所が2つあります。
タイのお寺観光時の服装
1つ目は、お寺を観光するときです。お寺では基本的に露出の高い服装がNGです。
タイのお寺観光時にNGの服装
✗ノースリーブ ✗ミニスカート ✗ショートパンツ
✗ダメージ加工のジーンズ ✗ビーチサンダル
お寺によっては羽織を貸してくれることもありますが、最初からお寺にふさわしい服装で行くようにした方が良いでしょう。
足元に関してはそこまでチェックされていない気がしていますが、ビーチサンダルに関してはNGと書いてあるお寺もあるようです。KEENやTevaなどのかかとがあるタイプのサンダルは履いている人も多く、特に注意されることもない印象です。
ただし、お寺によっては靴を脱いで見学するゾーンがあることがあります。その場合、床が汚れていたり、日光で熱くなっていて耐えられない場合があるので、靴下があると重宝します。お寺観光に行くなら、スニーカー&靴下の組み合わせがベストだと思います。
ホテルのレストラン・バーのドレスコード
もう一つ注意が必要なのが、ドレスコードのあるホテルのレストランやバーです。特にバンコクでルーフトップバーに行く予定の方は要注意!カジュアルすぎる服装では入場を断られてしまう可能性があります。
ドレスコードは女性に関してはそこまで厳しくないので、Tシャツ+タイパンツのようなカジュアル過ぎる服装を避ければ大丈夫です。もし迷ったときにはワンピースを着ましょう!
一方、男性の方が厳しくチェックされることが多いので、注意が必要です。ドレスコードの厳しさはホテルによりますが、以下の服装はNGとされる場合が多いです。
ホテルのレストラン&バーでNGの服装
✗ノースリーブ・Tシャツ(男性) ✗襟のない服(男性)
✗ハーフパンツ(男性) ✗ビーチサンダル(男女共)
✗クロックスなどのカジュアルなサンダル(男女共)
男性の場合、襟付きの半袖のポロシャツ、長ズボン、スニーカーであれば大丈夫でしょう。
そのほかのタイ旅行の持ち物については、こちらも御覧ください。
まとめ
以上、タイ・バンコクの気候と、おすすめの服装について解説しました。
まとめると、タイ・バンコクのベストシーズンは乾季(11月、12月、1月、2月)ですが、近年は大気汚染が問題になっています。個人的には、雨季(6月、7月、8月、9月、10月)もおすすめです。一番タイ・バンコク観光を避けた方が良いのは1年の中で特に暑い暑季(3月、4月、5月)のです。
タイ旅行に持っていく服や靴を選ぶ際の参考にしてもらえればと思います。